みなさま、こんにちは!!
薬剤師ケイティです。
今日はみんな大好き!!「トマト」がテーマです!!
お弁当にプチトマトを入れたり、サラダの彩どりにしたり、寒い時期はトマト鍋やミネストローネなども最高!!
お子さんからお年寄りまで、美味しく身近な存在・トマト。
鮮やかな赤色は食卓の華になり、さらに栄養満点でも知られている優秀野菜ですよね!!
ここからのシリーズは「トマト」について、その歴史や特徴、栄養学的な要素と、薬膳料理の面からも、お伝えいたします。
ぜひぜひ読んでみてくださいね!!
私は食べ物に関しても、栄養学的な情報と、論文やデータを重んじています。その一方で、まだ化学的に証明されていない内容もあるのですが、「薬食同源」の考えに基づいた薬膳料理も、2000年以上人々に使われ続けており、高い価値を感じます。
西洋医学と東洋医学の両方の良いところを使って、食事がより美味しく楽しくなると良いですね!!
このブログでは、栄養の面と、薬膳の面から、様々な食材の有用性をお伝えしています。
全ての栄養素は、体の中で、まるで歯車のようにお互い影響し合って化学反応を起こし、エネルギーを作ったり、毒素を排泄したりしています。
今回のテーマ食材だけでなく、バランス良くいろんな食材を食べることが大事なんです。
五大栄養をしっかりバランス良く食べながら、こちらの情報も参考に、今日の食事を考えてみてくださいね。
また、病気の治療が必要な方はしっかり医療にかかりましょう。
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<このページの目次>
トマトの特徴
⑴ 歴史、原産地
⑵栄養成分
⑶リコピン、カロテンの抗酸化作用
⑷トマトの種類と、生食&加熱について
<関連記事>
②美味しい旬の時期
美味しいトマトの選び方
→抗酸化作用や栄養成分が、より多いトマトはどんなものか?
③保存方法
トマトの問題点、その解決方法
④薬膳データ
薬膳での効果効能
⑤食べ合わせ: 抗酸化作用をさらにアップする食べ合わせや調理方法
アドバイスと症例
美味しく食べるコツ、栄養価upのコツ
⑴トマトの特徴、歴史、原産地
トマトは、中南米のアンデス高地が原産と言われているナス科の植物です。
大航海時代(コロンブスの時代の頃)、ヨーロッパにも伝わったと言われています。
しかし、当時はヨーロッパでも食用にはされていませんでした。
(昔むかし…イタリアが飢饉の時代に)
あるお金持ちの庭園に生えていた、観賞用のトマトを、腹ペコだった青年がちょっとつまんでしまいました。
青年「ああ~、なんでもいいから食べたい。俺、腹ペコで倒れそうだ…」
仲間「お…おい!やめろ!!それは『悪魔の実』だろう!!」
青年 パクっ…「う、う、う…」
仲間「だ、大丈夫か!?」
青年「うまい!!!!!(テッテレー!)」
そうです、トマトはかつて、その独特な見た目と匂いから「悪魔の実」と呼ばれ、食用にはされていませんでした。
薬である反面、猛毒を持ち、人々から避けられていた「ベラドンナ」の実に似ていたことも理由の一つでした。
日本に入ったのは江戸時代ごろで、やはりその頃は観賞用として楽しまれていたそうです。
国内で一般に食べられるようになったのは、洋風の食事が広まり始めた明治時代で、本格的に栽培が始まったのは昭和以降。ケチャップの使用とともに広まったといわれています。
ヨーロッパでは「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺があるほど、栄養たっぷり。
特に、太陽のもとで完熟したトマトが栄養たっぷりなんですよ。
(「太陽のもとで完熟したトマト」の見分け方を、後ほど○○でお伝えしますね【URL】)
⑵栄養成分
トマトに、主に含まれる、栄養成分です。
炭水化物:糖質、(多糖類として)ペクチン
ビタミン:ビタミンA(カロテン)、ビタミンB6、ビタミンC
ミネラル:カルシウム、カリウム、鉄、リン、亜鉛、銅、その他のミネラル
その他:リコピン、ルチン、クエン酸
そしてエネルギーは、100gあたり、19kcalです。
🔽トマトおおよそ100g イメージ図
トマトは体の調子を整えたり、美肌や、発がん予防に良いとされるビタミンCや、
整腸作用のあるペクチン、
高血圧に有効なカリウム、ルチン、
脂肪の代謝を助けるビタミンB6など多くの栄養素を含んでいます。
特に、抗酸化作用(アンチエイジングにも効果的)があるのは、ビタミンC、リコピン、カロテンです。
⑶リコピン、カロテン
トマトの豊富な栄養成分の中でも、特に注目の栄養成分は、リコピン、カロテンです。
トマトの皮の部分にある、赤い色はリコピン。
黄色、オレンジ、赤色の色素にはカロテンが含まれています。
どちらもピンク系より赤系トマトに多く含まれています。
リコピンは、カロテンと似た構造、つまりカロテノイドと言われるもので、
私たちの体の中で、例えば老化とか、がんや動脈硬化などの
病気を引き起こすような悪さをする、活性酸素の働きを抑えてくれる、抗酸化作用があるんです。
つまり「抗酸化物質」です。
リコピンの能力(抗酸化力)は、カロテンの2倍、ビタミンEの約100倍と言われています。
この辺りに関しては近年、かなり研究が進んでおり、たくさんの論文も出ています。
もちろんトマトだけ食べれば良いわけではなく、やはり食事はバランスが大事ですが、私も勉強しながら、トマトの力の偉大さを感じました。
⑷トマトの種類と、生食&加熱について
先ほど、ピンク系と赤系のトマトの話をしました。私たちが食材を買う時って、「ピンク系」とか「赤系」とか、あまり気にしませんよね。
トマトを生野菜でサラダとして食べる日本人は、「ピンク系トマト」を好んで食べています。実際、八百屋さんや市場やスーパーなどで並んでいるトマトは、ピンク系が多いです。
品種でいうと「桃太郎」「エバーグリーン」「フルティカ」などがピンク系トマトの代表です。
逆に赤系は「サンマルツァーノ」「ぜいたくトマト」などです。イタリア産のトマト缶などには、原材料名に「サンマルツァーノ」と書いてあったりします。
世界の品種を見渡すと、大部分は「赤系」トマトなんです。味が濃厚で加熱すると旨み成分が増すのが、この赤系トマトです。
一方ピンク系は、皮が薄く果肉も柔らかいので生で食べるのには向いていますが、赤系に比べると薄味です。このピンク系トマトを好むのは、日本人と韓国人だそうです。
欧米では、「トマトのあるところに、料理下手はいない」と言われているほど、赤系トマトのグルタミン酸の量は、野菜の中でもトップクラス。
グルタミン酸と言ったら旨味成分ですよね。
「天然の味の素®️」を使って調理していると考えたら、そりゃ美味しいですよね。
言い換えたら、干し椎茸や昆布のように、赤系トマトのグルタミン酸も、あらゆる料理の旨みのベースになっているというわけです。
最近は国内でも品種改良が進んで、「アイコ」のように赤系でも、生で食べて甘くてジューシーなトマトが定番になってきています。
技術の進歩に感謝ですね。
・トマトはビタミンC、ビタミンB6、カリウム、ルチン、ペクチンなど、様々な栄養を豊富に持っている。特に注目はリコピン、カロテン。
・リコピン、カロテンは抗酸化力が非常に強く、体の老化やがん化など、様々な病気を防ぐ。ピンク系より赤系トマトに多く含まれる。
・日本では生食に向いているピンク系トマトが、昔から人気だが、世界では赤系の方が主流で、多くは加熱して食べられている。赤系トマトは加熱するとグルタミン酸(旨味成分)豊富。
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<関連記事>
【トマト2/5】美味しい旬の時期
美味しいトマトの選び方
→抗酸化作用や栄養成分が、より多いトマトはどんなものか?
【トマト3/5】保存方法
トマトの問題点、その解決方法
【トマト4/5】薬膳データ
薬膳での効果効能
【トマト5/5】
食べ合わせ: 抗酸化作用をさらにアップする食べ合わせや調理方法
アドバイスと症例
美味しく食べるコツ、栄養価upのコツ
<トマト関連記事の参考文献、著書、HP>
《参考書籍》
・からだにおいしい野菜の便利帳/板木利隆 監修/高橋書店
・薬膳&漢方の食材事典/阪口珠未/ナツメ社
・薬膳アドバイザー教科書、教材
他