みなさま、こんにちは!! 今回はいよいよ、玉ねぎの「薬膳効果」をご紹介しますね!! 今まで玉ねぎ①~④に渡って、様々なことを書いてきました。
玉ねぎ①では、玉ねぎの原産地や歴史、植物としての特徴や種類(分類)についてお話ししました。 みなさま、こんにちは!!薬剤師ケイティ(Katie)です。 ここからは、玉ねぎについて。玉ねぎと言ったら「血液サラッサラ…
赤玉ねぎや白玉ねぎ、新玉ねぎは辛味成分が黄玉ねぎ(一般的な黄褐色の玉ねぎ)よりも少ない傾向にあり、生で食べるのに向いているなど、普段の調理にも生かせます。
玉ねぎ②では、人気野菜2位の玉ねぎの、国内での産地(北海道がダントツ)、輸入(中国からがダントツ)についてお話ししました。
生鮮野菜では国内産、大手大量消費の外食や中食は輸入の傾向があるんでしたよね。
みなさま、こんにちは!! 前回は、玉ねぎの原産地や歴史、「根菜なのか?」という疑問(植物としての特徴)や種類(分類)につ…
◎国内での産地、輸入(外食や中食では、輸入品が多い) 【URL】
玉ねぎ③では、 ◎玉ねぎの栄養成分、「アリシン」という有効成分について&アリシンは加熱すると変化する話 美味しい旬の時期、美味しい玉ねぎの選び方、保存方法 【URL】 玉ねぎ④では、 ◎玉ねぎの問題点、その解決方法 目が痛くならない&涙が出ないようにするコツ、 涙が出ない玉ねぎ(ハウス食品の研究開発)について 玉ねぎを美味しく食べるコツ 【URL】 などなどです。 今回は薬膳効果と共に、玉ねぎに多く含まれる成分「ケルセチン」についてもご紹介しますよ!
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<このページの目次>
⑴薬膳データ
⑵薬膳での効果効能
⑶食べ合わせ
⑷玉ねぎとSDGs→玉ねぎの皮茶を無料で作る
⑸ケルセチンについて
⑴薬膳データ
気血を巡らせて生活習慣病を予防
たまねぎには気や血の滞りを改善し、体を温める作用があります。
気の巡りがよくなると消化が促進されて、胃もたれや食欲不振、おなかのハリなどが解消されます。
また、アリシンのおかげで、血中コレステロールや中性脂肪の代謝を高めて、動脈硬化や血栓などの生活習慣病を予防します。
伝統的に薬膳効果とされている働き以外にも、
「アリシン」
「ケルセチン」
といった成分の働きとして、以下のようなものが挙げられているため、 その働きも持ち合わせていると言えるでしょう。
【アリシン、ケルセチンの効果を表にする】
体質に関して。
気滞とは、勝手につけたあだ名、イラチつかえさんです。
・気の巡りが悪くなり、つかえ感やイライラが起こるタイプ
・不安感、ゆううつ感、喉のつかえ感がある。
よくため息をついたり、イライラしてしまう。寝起きが悪い。
・おならやゲップがよく出る。
・緊張すると具合が悪くなるというような方です。
瘀血とは、勝手につけたあだ名、血巡(ちめぐり)滞子(とどこ)さん。
・体の各所で滞った血(けつ)が、コリや痛みの原因になります。
・肌荒れしやすく、シミやくすみ・クマやあざができやすい。
・首や肩のこりが酷い。動脈硬化や血栓がある、というような体質です。
痰飲とは、勝手につけたあだ名では、食過(たべすぎ)メタオさんです。
・食べ過ぎ、飲み過ぎで、消化不良状態
・血圧、中性脂肪やコレステロール、血糖値が高い。脂っこい食事を好む。
・肩こり、頭痛、めまい、浮腫が気になる、と言った体質です。
こんな方達に、玉ねぎが是非オススメです。
【五性】温性・・・体を温める食材ですね。 (表を追加)
【五味】辛・甘(加熱)
なるほど…。確かに、玉ねぎは生だと辛いけど、加熱すると甘くなりますよね。
【帰経】肺、胃
【主な作用】消化促進、胃もたれ、食欲不振、おなかのハリ、生活習慣病予防
⑵薬膳での効果効能
①気を正常に巡らせ胃の働きを高める
②体を温め、痰を取り除く
③解毒し寄生虫を取り除く
④血液をサラサラにし、血管の収縮を抑える
腹部の膨満感やつかえ、高脂血症、咳や切れにくい痰、外傷、潰瘍
(以上、出典:薬膳アドバイザー教科書)
⑶食べ合わせ
→りんごを一緒に食べることで、玉ねぎの消化促進の働きが増加します
→豚肉を一緒に食べることで、疲労回復になります。
豚肉以外にも、ビタミンB1を多く含む、 赤身の肉、全粒穀物、ナッツ、大豆、ほうれん草などもOKです。
玉ねぎのアリシンが、ビタミンB1の吸収を助け、体の中でより多くのエネルギー産生・疲労回復が期待できます。
→「美味しく食べるコツ」でも紹介しました。
全て体を温める食材なので、温活に活躍してくれるでしょう。
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⑷玉ねぎとSDGs
食べ物とSDGsについて、一緒に考えてみませんか?
玉ねぎを調理する時、茶色い外側の皮は、普通は捨ててしまいますよね?
実はこの外皮、食べて問題ないんです。
(グリルやBBQで玉ねぎを焼く時、茶色の皮ごと焼いて、パリパリの食感を楽しんだりしますよね♪)
それどころか、むしろ「ケルセチン」という栄養成分は、身の部分より皮の部分の方が、ずっと多く含まれています。
この外皮を使って、玉ねぎ茶を作ってみましょう。
今回、玉ねぎ茶を作りながら、冷凍保存用の玉ねぎも一緒に作っちゃいますよ!!
(時短&おトクに料理しちゃいましょう)
②水で洗い、お鍋に入れ、200mLの水を入れて、中火~強火で沸かします。
③加熱はだいたい10分を目安に。
④その間に玉ねぎをザクザク切っちゃいましょう。(→冷凍保存用の玉ねぎ)
⑤手を汚すのが嫌なズボラな私は、ビニール袋でわさっと回収。
10分ほど沸かすと、だいぶ茶色になってきました。
⑥さっきのザルの下にボウルを置いて、できたたまねぎ茶を入れます。
綺麗な透き通った茶色です。だいたい100MLちょっとできます。
そのまま飲むと、無味無臭の中にほんのり苦味が。
そんなに強い味でもありませんし、特に美味しいというわけではありません。笑
でもこの簡単作業で、美容や健康に役立つなら、ちょっと一手間、やってみてもいいですよね。材料費もゼロ円ですし。
ハチミツや黒砂糖を少し入れたり、この出来上がった玉ねぎ茶を紅茶やコーヒーに入れたりしても、飲みやすくなりますよ。
⑸ケルセチンについて
ケルセチンは、フラボノイドの一種で、 柑橘類、玉ねぎや蕎麦を始め、多くの植物に含まれている成分。
黄色い色素で、昔から染料としても使われてきました。
抗炎症作用があり、細胞や血管の老化を防止したり、動脈硬化予防、毛細血管の増強、 抗腫瘍作用、花粉症の抑制、血圧を下げるなどの働きが報告されています。
(出典:wikipedia、論文)
分かりやすく言うと、
抗酸化作用→全身のアンチエイジング
抗炎症作用
動脈硬化予防→血管が硬くなったり
毛細血管の増強
抗腫瘍作用→主に、ガンを抑制すると言う意味
花粉症の抑制
血圧を下げる
このケルセチンが含まれる食材は、
ケッパー、りんご、玉ねぎ、お茶、ぶどう、ブロッコリー、モロヘイヤ、ラズベリー、菜っ葉の野菜や柑橘類などです。
ただ、あまり多く摂取すると、お薬との相互作用(CYP)も考えられるため、過剰に取れば良いという訳ではありません。
玉ねぎの奥深さ、驚きの魅力、伝わりましたでしょうか?
食材はお薬ではないので、1日何グラム食べれば良いとか、何グラム以上で副作用が出る、などの細かい研究はまだまだなところがあります。
しかし、体を作ってくれ、健康を維持していくためにも、とても大事なものだと言うことがわかりました。
食べ物は偏りなく、バランスよく食べるということが大事なんですね。
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<関連記事>
◎産地、輸入 【URL】
◎栄養成分、アリシンについて&加熱すると変化
美味しい旬の時期、美味しい玉ねぎの選び方、保存方法 【URL】
◎玉ねぎの問題点、その解決方法
涙が出ない玉ねぎ(ハウス食品の研究)について
美味しく食べるコツ 【URL】
◎薬膳データ、薬膳での効果効能
食べ合わせ
玉ねぎとSDGs
ケルセチン(ケルセチン)について 【URL】
<玉ねぎ関連記事の参考文献、著書、HP>
《参考書籍》
・からだにおいしい野菜の便利帳/板木利隆 監修/高橋書店
・薬膳&漢方の食材事典/阪口珠未/ナツメ社
・薬膳アドバイザー教科書、教材
《参考HP》
・農林水産省HP
・野菜ナビ
・北陸農政局 たまねぎ
・NHKテキスト view
・ハウス食品 涙の出ない玉ねぎ研究
・https://www.alic.go.jp/content/001162825.pdf
・https://www.alic.go.jp/content/000145911.pdf
《参考文献》
(★1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6966194/ (★2)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7146530/
(★3)https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/s-2006-961504 (★4)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4090836/
(★6)https://www.mdpi.com/2072-6643/11/12/2909/htm#
・ハウス食品 S.Imai (nature):https://www.nature.com/articles/419685a https://www.salad-cafe.com/contents/quiz_vege/quiz_vege_04.html https://www.hyponex.co.jp/yasai_daijiten/column/column-3744
《著作権関連》 薬膳イラスト:新谷カヲル様(描き下ろし)