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玉ねぎ5/5

みなさま、こんにちは!! 今回はいよいよ、玉ねぎの「薬膳効果」をご紹介しますね!! 今まで玉ねぎ①~④に渡って、様々なことを書いてきました。

玉ねぎ①では、玉ねぎの原産地や歴史、植物としての特徴や種類(分類)についてお話ししました。
赤玉ねぎや白玉ねぎ、新玉ねぎ辛味成分が黄玉ねぎ(一般的な黄褐色の玉ねぎ)よりも少ない傾向にあり、生で食べるのに向いているなど、普段の調理にも生かせます。

薬剤師ケイティ 食材の栄養&薬膳

みなさま、こんにちは!!薬剤師ケイティ(Katie)です。 ここからは、玉ねぎについて。玉ねぎと言ったら「血液サラッサラ…

 

 

玉ねぎ②では、人気野菜2位の玉ねぎの、国内での産地(北海道がダントツ)、輸入(中国からがダントツ)についてお話ししました。
生鮮野菜では国内産、大手大量消費の外食や中食は輸入の傾向があるんでしたよね。

薬剤師ケイティ 食材の栄養&薬膳

みなさま、こんにちは!! 前回は、玉ねぎの原産地や歴史、「根菜なのか?」という疑問(植物としての特徴)や種類(分類)につ…

 

◎国内での産地、輸入(外食や中食では、輸入品が多い) 【URL】

玉ねぎ③では、 ◎玉ねぎの栄養成分、「アリシン」という有効成分について&アリシンは加熱すると変化する話 美味しい旬の時期、美味しい玉ねぎの選び方、保存方法 【URL】 玉ねぎ④では、 ◎玉ねぎの問題点、その解決方法 目が痛くならない&涙が出ないようにするコツ、 涙が出ない玉ねぎ(ハウス食品の研究開発)について 玉ねぎを美味しく食べるコツ 【URL】 などなどです。 今回は薬膳効果と共に、玉ねぎに多く含まれる成分「ケルセチン」についてもご紹介しますよ!

<注意> このブログでは、栄養の面と、薬膳の面から、様々な食材の有用性をお伝えしています。 全ての栄養素は、体の中で、まるで歯車のようにお互い影響し合って化学反応を起こし、エネルギーを作ったり、毒素を排泄したりしています。 今回のテーマ食材だけでなく、バランス良くいろんな食材を食べることが大事なんです。 五大栄養をしっかりバランス良く食べながら、こちらの情報も参考に、今日の食事を考えてみてくださいね。

 

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<このページの目次>

⑴薬膳データ
⑵薬膳での効果効能
⑶食べ合わせ
⑷玉ねぎとSDGs→玉ねぎの皮茶を無料で作る
⑸ケルセチンについて

 

  ⑴薬膳データ

気血を巡らせて生活習慣病を予防

たまねぎには気や血の滞りを改善し、体を温める作用があります。
気の巡りがよくなると消化が促進されて、胃もたれや食欲不振、おなかのハリなどが解消されます。

また、アリシンのおかげで、血中コレステロールや中性脂肪の代謝を高めて、動脈硬化や血栓などの生活習慣病を予防します。

伝統的に薬膳効果とされている働き以外にも、
アリシン」
「ケルセチン」
といった成分の働きとして、以下のようなものが挙げられているため、 その働きも持ち合わせていると言えるでしょう。

【アリシン、ケルセチンの効果を表にする】    

 

 

 

薬効DATA 【体質】気滞、瘀血、痰飲 【五性】温性 【五味】辛・甘(加熱) 【帰経】肺、胃 【主な作用】消化促進、胃もたれ、食欲不振、おなかのハリ、生活習慣病予防

 

体質に関して。

気滞とは、勝手につけたあだ名、イラチつかえさんです。
・気の巡りが悪くなり、つかえ感やイライラが起こるタイプ
・不安感、ゆううつ感、喉のつかえ感がある。
よくため息をついたり、イライラしてしまう。寝起きが悪い。
・おならやゲップがよく出る。
・緊張すると具合が悪くなるというような方です。   

薬膳 体質 気滞

 

瘀血とは、勝手につけたあだ名、血巡(ちめぐり)滞子(とどこ)さん。
・体の各所で滞った血(けつ)が、コリや痛みの原因になります。
・肌荒れしやすく、シミやくすみ・クマやあざができやすい。
・首や肩のこりが酷い。動脈硬化や血栓がある、というような体質です。 薬膳 体質 瘀血  

 

痰飲とは、勝手につけたあだ名では、食過(たべすぎ)メタオさんです。
・食べ過ぎ、飲み過ぎで、消化不良状態
・血圧、中性脂肪やコレステロール、血糖値が高い。脂っこい食事を好む。
・肩こり、頭痛、めまい、浮腫が気になる、と言った体質です。 薬膳 体質 痰飲  

 

こんな方達に、玉ねぎが是非オススメです。  

 

【五性】温性・・・体を温める食材ですね。 (表を追加)

 

【五味】辛・甘(加熱)
なるほど…。確かに、玉ねぎは生だと辛いけど、加熱すると甘くなりますよね。

【帰経】肺、胃

【主な作用】消化促進、胃もたれ、食欲不振、おなかのハリ、生活習慣病予防  

 

薬膳での効果効能

中医学的な効能
①気を正常に巡らせ胃の働きを高める
②体を温め、痰を取り除く
③解毒し寄生虫を取り除く
④血液をサラサラにし、血管の収縮を抑える
期待できる適応症
腹部の膨満感やつかえ、高脂血症、咳や切れにくい痰、外傷、潰瘍

(以上、出典:薬膳アドバイザー教科書)

 

 

  ⑶食べ合わせ  

玉ねぎ+りんご
→りんごを一緒に食べることで、玉ねぎの消化促進の働きが増加します
玉ねぎ+豚肉(もしくはビタミンB1を多く含む食品)
→豚肉を一緒に食べることで、疲労回復になります。
豚肉以外にも、ビタミンB1を多く含む赤身の肉、全粒穀物、ナッツ、大豆、ほうれん草などもOKです。
玉ねぎのアリシンが、ビタミンB1の吸収を助け、体の中でより多くのエネルギー産生・疲労回復が期待できます。
玉ねぎ+黒酢+黒砂糖
→「美味しく食べるコツ」でも紹介しました。
全て体を温める食材なので、温活に活躍してくれるでしょう。

【URL】

 

 

  ⑷玉ねぎとSDGs

食べ物とSDGsについて、一緒に考えてみませんか?
玉ねぎを調理する時、茶色い外側の皮は、普通は捨ててしまいますよね?
実はこの外皮、食べて問題ないんです。
(グリルやBBQで玉ねぎを焼く時、茶色の皮ごと焼いて、パリパリの食感を楽しんだりしますよね♪)

それどころか、むしろ「ケルセチン」という栄養成分は、身の部分より皮の部分の方が、ずっと多く含まれています
この外皮を使って、玉ねぎ茶を作ってみましょう。
今回、玉ねぎ茶を作りながら、冷凍保存用の玉ねぎも一緒に作っちゃいますよ!!
(時短&おトクに料理しちゃいましょう)

①外側の皮の、汚れた部分、痛んだ部分は取り除き、綺麗な皮をザルに入れます。
水で洗い、お鍋に入れ、200mLの水を入れて、中火~強火で沸かします。
③加熱はだいたい10分を目安に。
④その間に玉ねぎをザクザク切っちゃいましょう。(→冷凍保存用の玉ねぎ)
⑤手を汚すのが嫌なズボラな私は、ビニール袋でわさっと回収。
10分ほど沸かすと、だいぶ茶色になってきました。
⑥さっきのザルの下にボウルを置いて、できたたまねぎ茶を入れます。
綺麗な透き通った茶色です。だいたい100MLちょっとできます。

そのまま飲むと、無味無臭の中にほんのり苦味が。
そんなに強い味でもありませんし、特に美味しいというわけではありません。笑
でもこの簡単作業で、美容や健康に役立つなら、ちょっと一手間、やってみてもいいですよね。材料費もゼロ円ですし。

ハチミツや黒砂糖を少し入れたり、この出来上がった玉ねぎ茶を紅茶やコーヒーに入れたりしても、飲みやすくなりますよ。

 

 

  ⑸ケルセチンについて

ケルセチンは、フラボノイドの一種で、 柑橘類、玉ねぎや蕎麦を始め、多くの植物に含まれている成分
黄色い色素で、昔から染料としても使われてきました。

抗酸化作用が、なんと!!抗酸化剤として使われているビタミンEより強く、
抗炎症作用があり、細胞や血管の老化を防止したり、動脈硬化予防、毛細血管の増強
抗腫瘍作用、花粉症の抑制、血圧を下げるなどの働きが報告されています。
(出典:wikipedia、論文)

 

分かりやすく言うと、
抗酸化作用→全身のアンチエイジング
抗炎症作用
動脈硬化予防→血管が硬くなったり
毛細血管の増強
抗腫瘍作用→主に、ガンを抑制すると言う意味
花粉症の抑制
血圧を下げる  

このケルセチンが含まれる食材は、
ケッパー、りんご、玉ねぎ、お茶、ぶどう、ブロッコリー、モロヘイヤ、ラズベリー、菜っ葉の野菜や柑橘類などです。

ただ、あまり多く摂取すると、お薬との相互作用(CYP)も考えられるため、過剰に取れば良いという訳ではありません。  

 

玉ねぎの奥深さ、驚きの魅力、伝わりましたでしょうか?
食材はお薬ではないので、1日何グラム食べれば良いとか、何グラム以上で副作用が出る、などの細かい研究はまだまだなところがあります。
しかし、体を作ってくれ、健康を維持していくためにも、とても大事なものだと言うことがわかりました。
食べ物は偏りなく、バランスよく食べるということが大事なんですね。

 

 

<玉ねぎ まとめ>
 

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<関連記事>
◎産地、輸入 【URL】
◎栄養成分、アリシンについて&加熱すると変化
美味しい旬の時期、美味しい玉ねぎの選び方、保存方法 【URL】
◎玉ねぎの問題点、その解決方法
涙が出ない玉ねぎ(ハウス食品の研究)について
美味しく食べるコツ 【URL】
◎薬膳データ、薬膳での効果効能
食べ合わせ
玉ねぎとSDGs
ケルセチン(ケルセチン)について 【URL】  

<玉ねぎ関連記事の参考文献、著書、HP>
《参考書籍》
・からだにおいしい野菜の便利帳/板木利隆 監修/高橋書店
・薬膳&漢方の食材事典/阪口珠未/ナツメ社
・薬膳アドバイザー教科書、教材

《参考HP》
農林水産省HP
野菜ナビ
北陸農政局 たまねぎ
NHKテキスト view
ハウス食品 涙の出ない玉ねぎ研究

https://www.alic.go.jp/content/001162825.pdf
https://www.alic.go.jp/content/000145911.pdf

《参考文献》
(★1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6966194/ (★2)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7146530/
(★3)https://www.thieme-connect.com/products/ejournals/abstract/10.1055/s-2006-961504 (★4)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4090836/
(★6)https://www.mdpi.com/2072-6643/11/12/2909/htm#

・ハウス食品 S.Imai (nature):https://www.nature.com/articles/419685a https://www.salad-cafe.com/contents/quiz_vege/quiz_vege_04.html https://www.hyponex.co.jp/yasai_daijiten/column/column-3744  

《著作権関連》 薬膳イラスト:新谷カヲル様(描き下ろし)  

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